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July 20, 2015

農薬や殺生物剤の動物実験に関するQ&A

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル

Q: どのような種類の製品が農薬に分類されるの?

A: 農薬は、「有害生物」とみなす生物を防除、殺害、忌避もしくは抑制することを意図して用いられる物質もしくは物質の混合物です。一般的な例には除草剤、防虫剤、殺虫剤、猫いらず(殺鼠剤)、殺鳥剤、燻蒸剤(抗線虫剤)等があり、「殺菌作用」のある石鹸剤や洗浄剤(抗菌剤)等も含まれます。国によっては、食用作物への使用を意図したもの(作物保護製品)と農業が主要な用途ではないもの(殺生物剤)は区別されています。
※注:日本の法律では、農作物に対して使うものを農薬としています。

Q: 農薬の毒性試験において動物はどのように使われているの?

A: ほとんどの先進国の規制においては、全ての農薬や殺生物剤とその原料に個別に毒性試験を実施することが義務付けられており、必要となる試験として20種類以上の動物実験が挙げられています。試験の例としては、皮膚刺激性試験や眼刺激性試験、化学物質中毒になった動物とその子孫の行動学的研究や、死に至る用量を評価するために、動物に大量の被検物質を強制的に飲み込ませたり吸引させたりする、批判の多い急性毒性試験等が挙げられます。試験にはげっ歯類、ウサギ、鳥類、魚類、そしてイヌまでもが使われており、試験によっては一回につき何百匹もしくは何千匹もの動物が使われます。農薬に使われる化学物質一つのための毒性試験につき、最大12,000匹の動物が犠牲になります。

Q: 試験に使われる動物に鎮痛処置をしたりその他の保護的な処置は行われるの?

A: 鎮痛処置は通常行われません。加えて、国によっては、研究所で繁殖したラットやマウス及び非哺乳類は実験に用いられる動物の基準を定める国レベルの法律に含まれていなかったり、このような法律のもと保護されていなかったりする場合もあります(アメリカ等)。実験動物の飼養管理や利用方法を定めた法令を持たない発展途上国においては、状況はさらにひどいと言えます。

Q: 動物福祉以外に、動物実験に反対する理由はあるの?

A: 幾つか懸念される点があります。まず、ほとんどの動物を用いた試験は、ヒトへの影響を適切に予測できるかどうか評価されておらず、その結果、実世界におけるヒトへの被害を過剰評価もしくは過大評価しすぎてしまう可能性があります。例えば、ラットを使った試験でもウサギを使った試験でも、ポリ塩化ビニフェルや、工業用溶液、その他多くの医薬品における出生異常を引き起こす特性を検知できませんでした。さらに、ラットやマウスを用いたがんの試験では、アスベスト、ベンゼン、タバコの煙やその他様々な物質の危険を感知することができず、場合によっては消費者や作業従事者の保護に関する施策が何十年も遅れました。

また、動物実験は非効率的で、多大な時間や資源がかかります。例えば、通常のラットやマウスを用いた試験で、農薬において使われる化学物質一つの発がん性を評価する場合、最大5年、800匹の動物と400万ドルがかかります。現代のロボット技術を用いた200もの異なる細胞試験を活用すると、同じ金額で、動物を使わず、最大350の化学物質を1週間以内で評価できます。さらに、このようにして得た結果のほうが、動物を用いるより、より適切にヒトに対する影響を評価できます。

Q: 実際に使える動物実験の代替法にはどのようなものがあるの?

A: 20以上の、動物を代替したり、使用する動物の数を減らしたり、動物の苦痛を軽減する試験法や試験戦略が、欧州代替法評価センターや世界各国の同様の代替法評価センターにより科学的に評価されたと認められています。加えて、農薬の試験については、同じ試験を二種類以上の動物で繰り返す等、重複している試験要件を廃止するだけでも使われる動物の数を大幅に削減することができます。例えば、ラットとマウス両方の発がん性試験、ラットとウサギ両方の生殖毒性試験、ラットとイヌ両方の90日間の反復投与毒性試験や、最大3つの暴露経路(強制経口投与、強制吸入、動物の皮膚への塗布)を求める特定の試験等、重複する試験の要件を廃止するだけで、使われる動物の数を大幅に減らすことができます。柔軟性のない一連の動物実験の一覧をこなしていくような「チェック・ボックス」形式から、不必要な試験を回避できるような柔軟性のある試験の戦略に移行することでも改善されると考えられます。

Q: 農薬の試験から動物を救うため、HSIはどのような取り組みをしているの?

A: 動物実験の代替法が開発され、その方法が実際に研究所において動物実験を置きかえるべく活用されるまでには、何カ月、場合によっては何年もの遅れが生じることが多々あります。HSIの科学及び政策の専門家は、短い時間で農薬の試験に使われる動物の数を削減し、試験そのものを代替できるように、世界中の農薬や殺生物剤の規制当局にこの遅れを解消するように働きかけています。しかし、このようなアプローチは、永遠に動物実験を終わらせるという我々の最終目標の第一段階であるに過ぎません。この目的を達成するために、超高速の細胞試験や高度なコンピューターモデルを組み合わせた毒性試験の「21世紀」アプローチという全く新しいアプローチを支援し、推し進めるために、大学所属の科学者、一般企業や世界中の政府機関と類を見ないパートナーシップを構築しました。動物実験の場合、結果を出すために何カ月、もしくは何年もかかる場合もありますが、この新しいアプローチの場合、数時間で結果が出るようになります。

Q: どのようにこれらの取り組みを支援できるの?

A: オーガニックな農産物を購入し、多くの場合、農薬やその他の残留物に汚染されている肉、乳製品やその他の動物性食品を避けることにより、農薬に対する暴露を減らすことができます。安全でかつ効果的なガーデニング用品として、農薬の代替となる環境や動物に優しく、毒性のない方法もあります。さらに、「殺菌作用」があるとうたわれている製品は、農薬(殺生物剤)とみなされ、石鹸剤や洗浄剤製品等、同じような製品で抗菌性がうたわれていないものと比べて、より多くの動物実験の要件がある可能性があります。Cruelty-freeな(動物実験をしていない)製品は、LeapingBunny.orgから探すことができます。

 

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