動物との共生を考える連絡会とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルが動物愛護法改正に向けて、市民フォーラムを開催

2020年東京オリンピックに向けて、動物愛護ではなく、包括的な動物福祉へ

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル





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東京 — 2月12日(月祝)、動物との共生を考える連絡会とヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)が、動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)の次回の改正に向けて市民フォーラムを開催した。フォーラムでは、実験動物、農業動物、展示動物等、あらゆる動物の福祉の動向と課題について取り上げ、2020年の東京オリンピックに向けて、「動物愛護」から、より科学的な視点でかつ動物保護関連法の国際基準となっている「動物福祉」への転換が提言された。

動物との共生を考える連絡会とHSIは、日本の実験施設における動物の境遇を改善するため、動物愛護法の実験動物にかかわる条項の強化に向けて協力体制を築き、所轄省庁や国会議員に対して共同で働きかけを行うと同時に一般社会の意識の向上に努めており、フォーラムはその一環として開催された。

動物福祉とは、客観的な評価や研究から成る、科学的な概念であり、動物の生活の質に焦点を当てた比較的新しい学問である(1980年代に、EUにおいて農業動物の福祉について検討するための資料が多く作成された)。フォーラムでは、犬猫等のペットをはじめ、実験動物、農業動物、展示動物等が、動物福祉を根幹とした法令によりどのように扱われているか、科学的視点からの議論が展開された。参加者は、海外の動物福祉の専門家でありHumane Society of the United States (HSUS)の最高科学責任者であるアンドリュー・ローワン博士による世界各国の動物福祉の最新動向についての講演に、熱心に耳を傾けた。

また、世界各国の動物福祉の動きは、動物への配慮という枠を超え、人間の生活の質の向上にもつながることを示す事例も多々挙げられた。例えば、現在、世界において37か国が化粧品の動物実験を禁止するに至っているが、このような動きは犠牲になる動物を減らすことができるという動物福祉の観点だけではなく、これらの禁止は、化粧品企業にヒト生物学を基盤とした動物を用いない代替法に移行することを法的に義務付けることによって、よりヒトへの安全性が高い商品開発につながるのである。また、農業動物の福祉を向上させることも、動物のためだけではなく、公衆衛生、食品の質及び畜産の経済にとってもプラスとなる。

動物との共生を考える連絡会の青木貢一代表は次のように述べている。「今年は動物愛護法の改正に向けて様々な関係者が動いていますが、法律の制定及び改正は、その時々の国民意識の反映でもあります。この市民フォーラムで、少しでも動物愛護法の改正に向けて一般市民の意識が高まり、機運醸成につながることを願います。」

HSIの研究・毒性学部門のシニアディレクターのトロイ・サイドルは次のように述べている。「ヨーロッパから中国まで、動物愛護法が最初に制定された時期から、世界各国の動物福祉の規制には大きな進展がありました。日本の当局も動物福祉学を根幹としたグローバルなベストプラクティスの方向性に舵を切ることを期待し、特に、生命科学における実験動物の使用の削減、そして最終的には代替に力をいれてくださることを願います。」

以上

問い合わせ:

HSI (日本): 山﨑佐季子, syamazaki@hsi.org (日本語・英語対応可)

動物との共生を考える連絡会: 青木貢一 info.dokyoren@gmail.com

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