韓国環境部に対し、現代的な動物実験の代替法を化学物質規制に取り入れるチャンスを逃したと指摘

殺生物剤に関する新たな法令とK-REACHの改正において、 安全性科学と動物福祉を進歩させる機会を逃す

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


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ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)は、ここ最近のK-REACH(化学物質登録及び評価等に関する法律)の改正や生活化学製品及び殺生物剤安全管理法の制定において、動物実験の代替法の更なる拡大を促進するという政府の意気込みに行動が伴わなかったことを指摘するために、韓国環境部に対して文書を提出した。HSIが提出したこのテクニカルな文書は、K-REACHにおける代替法採用の不合理な遅れや、無駄な動物実験の重複を防ぐために企業が既存のデータを購入することに対する障壁を浮き彫りにし、動物実験が「最終手段」としてのみ実施されるようにするために韓国においても採用されるべきとHSIが考える、アメリカやヨーロッパの法令の文言のサンプルが含まれる。

HSI韓国の政策担当のJihwa Seoは、次のように述べている。「環境部は、安全性に関する規制と化学物質や化学物質製品の管理の向上を計画しているにもかかわらず、彼らの規制案は、韓国政府が動物実験を代替し、科学において現代的なアプローチを採用することにあまり関心がないことを示しています。データの共有を積極的に促進し、重複する動物実験の実施を徹底して回避し、法令において国際的に認められている試験方法を採用すれば、何万匹もの動物を救うことができます。韓国政府が、より安全で思いやりのある社会のために効果的かつ戦略的な取り組みを実施すべきときがきていると感じています。」

HSI は、環境部と韓国環境公団と面会し、現在使用できる動物実験の代替法や関連する科学の現況と照らし合わせて、韓国のデータ要件とテストガイドラインが遅れている複数個所を特定する、詳細な提言書を提出している。昨年の11月には、韓国の国会議員が、「規制における代替法」に関して一般向けのフォーラムを開催し、政府の関係機関や企業が動物福祉と、化学物質・農薬・その他製品における動物実験の回避をより優先するように圧力をかけた。

経緯の概要:

•         昨年9月、政府のヒアリングにおいて、環境部は、「2016年以来、より多くの代替法の受け入れに向けて努力しているが、あまり積極的に取り組めているとは言えない。食品医薬品安全処や農村振興庁と共に、代替法を用いたアプローチをさらに拡大できるように取り組みたいと思う」と言っていた。

•         昨年、HSIは、腐食性化学物質を含む、31件もの特性がよく理解されている化学物質について、明確な動物福祉に関する懸念があり既存のデータがあるにもかかわらず、重複する動物実験を行うという内容の韓国環境公団のパイロット研究を明るみに出すことができた。

•         さらに最近、環境部は、追加で7,000件もの既存の物質を含めるためにK-REACHの範囲を拡大することを提案した。この提案は、代替法が認められ、法律のもと代替法の利用が義務付けられ、かつデータの共有の困難さが解消されない限り、動物実験を新たに何千回も実施しなければならないことにつながる可能性がある。

•         2010年から2013年の間、HSIは、ヨーロッパの当局や業界と密に協働し、殺生物剤の法令の改正に取り組んだ。この過程は、試験要件における80件以上もの改正につながり、動物の使用を5割近く削減することができた。 

 

HSIは、一般消費者に、hsi.org/koreascience から、#ScienceWithoutSuffering への署名をお願いしています(韓国語のみ)。

 

以上

 

問い合わせ: Borami Seo, bseo@hsi.org, +82. 2. 6376. 1405

 

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) 及びそのパートナー団体は、世界最大級の動物保護団体です。HSI 25年以上にわたり、科学、アドボカシ―、教育及び実践プログラムを通して全ての動物の保護に取り組んできました。「世界中の動物に畏敬の念を示し、動物虐待に立ち向かう」ウェブサイト― hsi.org/ 

 

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