中国の化粧品の動物実験に関するよくある質問

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル


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Be Cruelty-Free: 化粧品の動物実験を終わらせる

Be Cruelty-Free 思いやりのある美しさキャンペーンは、ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナルによるグローバルなキャンペーンで、既にオーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、ヨーロッパ、インド、日本、韓国、ニュージーランド、ロシア及びアメリカの12の主要な化粧品市場において、公共政策面の変革を促しています(アメリカのキャンペーンは姉妹団体であるHSUSにより展開されています)Be Cruelty-Freeキャンペーンは、各国のパートナー団体及び、cruelty-freeな(動物に苦痛を与えない)化粧品企業、消費者、規制当局、科学者と協働し、人道的なイノベーションをグローバルなベスト・プラクティスにすることを促進し、化粧品のために動物が苦しまなくてもよい世界を作ることを目指しています。

中国と化粧品の動物実験について

化粧品の動物実験は、欧州連合、ノルウェー、イスラエル及びインドにおいて禁止されています。Be Cruelty-Free によるキャンペーンの成果があり、オーストラリア、ブラジル、ニュージーランド、台湾及びアメリカにおいて、化粧品の動物実験の実施と動物実験された化粧品の販売を禁止する法案が提出されています。しかし、中国では、国内で新たに販売することを予定している化粧品のサンプルを政府に提出することが、法律により義務付けられています(提出後に実施される試験は、主に動物を用いたものです)。これに加えて、中国政府は、化粧品に対して、市販後の動物実験も実施しています。

630日からどのように変わったのでしょうか ?

Be Cruelty-Free チャイナのキャンペーン後、2013116日に、中国食品薬品監督管理局は、国内で新たに製造された一般化粧品の動物実験の要件を廃止することを含め、化粧品規制の枠組みを現代化することを公表しました。これが、2014630日に施行されています。

ということは、中国は化粧品の動物実験を禁止したということでしょうか?

禁止はされておらず、この最終目標のため、Be Cruelty-Freeチャイナはキャンペーンを続けていきます。しかし、中国が化粧品の試験に関する規制を改正したのは20年ぶり以上だったので、大きな進歩であることは確かです。

では、改正は何を意味しているのでしょうか?

2014630日から、一般化粧品を中国国内で製造している企業は、新たな製品に対して動物実験を実施したり、動物を用いた試験を実施するために、中国政府に新しい製品のサンプルを提供する必要がなくなります。動物実験の代わりに、有用性が評価され、国際的に認められた、動物を用いない試験方法により得たデータを含む、原料の安全性データを用いた製品のリスク・アセスメントを提出することができるようになります。

これは全ての化粧品に適用されるのでしょうか?

いいえ。中国国内での販売するために中国本土の外で製造された化粧品には、この改正は適用されません。毛髪染料、制汗剤、日焼け止めや美白製品等、「特殊用途化粧品」にも適用されません。

Cruelty-freeな企業が中国において製品を販売できるようになったということでしょうか?

いいえ。まず、この改正は、中国での販売のために中国国内で製品を製造する企業にのみ適用されます。Cruelty-freeな企業のほとんどにとって、中国国内で製品を製造するという選択肢はありません。第三国から中国に輸入された化粧品には改正が適用されていないため、海外のcruelty-freeな企業には、改正後も、市販前の完成品に対する動物実験が義務付けられることとなります。この市販前の要件の例外となる可能性があるのは、海外の企業が中国国内に全ての原料を輸入し、中国国内で製品を製造し、国内で製造された製品の中国政府の定義を満たした場合です。しかし、このような生産規模での製造は、ほとんどの企業にとって実行不可能な選択肢です。さらに、個別の原料については、政府の正式な化粧品の既存原料リスト(Existing Cosmetics Ingredients in ChinaIECIC)に記載されているものでなければ、動物実験を避けることはできません。

これに加えて、市販前の試験に関する規制が改正されても、中国政府は未だに化粧品に対する市販後の動物実験を実施しています。この市販後の動物実験では、中国政府は無作為に化粧品を選択し、店舗の棚から撤去し「確認」の動物実験が実施されます(例えば、消費者に対して販売されている製品が、販売が承認された配合と同じであることを確認するために実施)。中国政府は、消費者の保護を一定レベルに保つために、国内で製造された一般化粧品に関する630日の規制改正後に、市販後の試験体制を強化する考えを示しています。このため、市販前の動物実験を回避できても、市販後の動物実験を回避できる保証はなく、市販後に製品に動物実験が実施される可能性は依然として高いのです。HSIは、この体制が変わらない限り、cruelty-freeな化粧品企業は、cruelty-freeであると称して中国で販売することができないと考えています。

インターネット商取引はどうなるのでしょうか?

インターネット商取引のウェブサイトとフルフィルメント(受注・発送を行う業務地)が中国本土の外にあり、消費者がそのウェブサイトを通して購入し、消費者に直接郵送される化粧品については、市販前と市販後の試験の要件は適用されません。なので、cruelty-freeな企業はウェブサイトを通してであれば、動物実験の心配をすることなく、中国の消費者に製品を販売することができます。

中国の空港での製品販売はどのように扱われるのでしょうか?

中国政府は、空港の免税店で販売されている化粧品の動物実験を明確に免除していませんが、実際には市販前の動物実験は回避することが可能です。しかし、市販後の動物実験の実施については、慣例的に回避できるということはありません。なので、中国の空港の免税店で販売されている化粧品は、中国政府による無作為の販売後の動物実験の対象となるリスクがあり、前述した通り、630日から市販後の試験の体制が強化される可能性があります。このような理由から、cruelty-freeな化粧品企業は、中国の空港で製品を販売し、関知できない動物実験も含み、製品に絶対に動物実験が実施されないということを保証することはできません。

改正に伴い、中国国内で製造販売している海外の化粧品企業はcruelty-freeになることができるのでしょうか?

二点の理由から、そのようにはなりません。まず、市販前の動物実験を回避するためには、企業は、1) 「一般化粧品」のみを製造し、2)  政府の正式な化粧品の既存原料リスト(Existing Cosmetics Ingredients in ChinaIECIC)に記載されている原料のみを使い、3) 既存の原料のデータを元に製品の完全なリスク・アセスメントを実施できなければなりません。Cruelty-freeな企業は、何千もある既存の安全な化粧品の原料を用いて新たな動物実験を実施せずに新製品を開発しています。しかし、これらの原料全てが2014年版のICCECに記載されているわけではないので、中国以外の各国で安全に使用されている経歴があっても、安全性を示す書類を用意しなければ中国国内で原料を使用することができず、中国の規制要件を満たすためには動物実験を実施する必要が生じてくる可能性があります。これは特に、市場において有利になるために「世界的に新しい」原料を開発または購入することを選択している、市場をリードするような化粧品ブランドに当てはまります。このような原料には、安全性に関する既存のデータがなく、慢性的健康被害を含む、規制当局により求められる、全ての毒性学的エンドポイントについて動物を用いない試験方法があるわけではありません。また、現在ある全ての動物を用いない試験が中国により受け入れられているわけではありません。このような理由から、新規の化学物質については、中国の規制に従って何らかの新たな動物実験がいや応なく実施されることとなります。そして、これに加えて市販後の動物実験の問題もあります。

要約すると、630日以降中国ではどのような動物実験が義務付けられるのでしょうか?

新たに輸入されるシャンプーや口紅等の「一般化粧品」全てに関し、下記の特定の試験を含む、中国の研究所による市販前の動物実験が義務付けられます。

  • 眼刺激性試験
  • 急性皮膚刺激性試験
  • 反復皮膚刺激性試験

中国国内で販売するために一般化粧品を製造している中国企業は、原料のデータにより製品の安全性を実証することができれば、新たな動物実験をせずに、規制上の完成品の安全性に関する要件を満たすことを選択することができます。これはほとんどの国では慣例となっていますが、中国で許可されたのはこれが初めてなので、中国企業が原料ベースのリスク・アセスメントを実施するための訓練や経験を持っているかは不明です。さらに、既存のデータがない新規の原料を使った場合、動物実験が義務付けられます。

海外から輸入された、または中国国内で製造された特殊用途化粧品については、全ての完成品に対して、下記の試験が義務付けられています。

  • 眼刺激性試験 
  • 急性皮膚刺激性試験
  • 反復皮膚刺激性試験
  • 皮膚感作性試験
  • 皮膚光毒性試験 (インビトロ(非動物実験)でもインビボ(動物実験)でも可)

動物実験を実施する必要が全くないのは、輸出するために中国国内で製造されている「一般化粧品」のみです。

中国における化粧品の動物実験が廃止されなかったのに、何故この規制の改正が重要なのでしょうか?

動物実験から離れ、正しい方向に向かうための変化を中国政府が受け入れることを示しているため、この改正はとても重要なものと言えます。中国における変化は、必然的に他の国よりは遅いペースで、劇的な変化というよりは段階的な変化になります。しかし、この規制改正は、中国にとって、化粧品規制関連では20年ぶり以上の実質的改正です。動物実験から徐々に離れつつあるグローバルな流れの中で、中国において化粧品のために行われる残虐な行為を終わらせるための、何段階にも及ぶ旅の第一歩として捉えることが重要です。

Be Cruelty-Free チャイナにとって次のステップは何でしょうか?

我々の長期的な目標は、中国の動物実験を完全に終わらせることであるということは変わりません。キャンペーン上、次の優先事項は、WTO(世界貿易機関)が定る通り、全ての企業にとって平等な条件となるよう、今回の中国の規制改正が海外から輸入された「一般化粧品」にも適用されるようにすることです。主要な市場において「一般化粧品」と「特殊用途化粧品」の規制上の定義に一貫性を確保することにより、非科学的な貿易の障壁となってしまう不必要な動物実験をさらに最小限にとどめることができます。これに加え、HSIは、最新の動物を用いない試験方法へのアクセスとトレーニングを強化するために、規制当局との協働を続けます。

中国食品薬品監督管理局は、HSIに対して、数年のうちに上記のような規制の適用範の拡大を検討することを示唆しています。さらに、HSIは、未だに続いている市販後の試験における動物の使用を廃止するためのキャンペーンも展開します。最終的には、欧州連合、ノルウェー、イスラエル及びインドにおいて実施してきたように、中国における化粧品の動物実験の完全禁止が施行されるように政策立案者に働きかけます。

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI) 及びそのパートナー団体は、世界最大級の動物保護団体です。HSI 20年以上にわたり、科学、アドボカシ―、教育及び実践プログラムを通して全ての動物の保護に取り組んできました。「世界中の動物に畏敬の念を示し、動物虐待に立ち向かう」ウェブサイト― hsi.org/becrueltyfree 

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