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July 27, 2015

化学物質の動物実験に関するQ&A

ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル/Humane Society International

Q: どのような化学物質が動物実験の対象となる可能性があるの?

A: 世界中で推定10万の化学物質が市場に出回っており、毎年何百もの新規の化学物質が導入されています。その多くがプラスチックやそれに関連したポリマーで、その他割合としては少ないですが、洗浄剤、ペンキ、接着剤、潤滑剤、工業用溶剤及び様々な「中間物」と呼ばれる一時的な副産物等が含まれます。密閉された状態で取り扱われ環境に放出されない化学物質もある一方、大量に市場に出回ったり、人や環境への暴露があるような製品の原料として使われるものもあります(例: 化粧品、家庭用洗剤、プラスチックの包装やガソリン等)。

Q: 世界各国において、化学物質はどのように規制されているの?

A: ほとんどの先進国では、化学物質の試験や市場への導入に関する法令が施行されています。例として、カナダの環境保護法、欧州連合(EU)の化学物質の登録、評価、認可及び制限に関する規則(REACH規則)や、アメリカの有害物質規制法等が挙げられます。このような法令や規制はそれぞれ大きく異なるため、各国の取り組み間で調整し、重複を避け、資源を共有することを目的とした様々な多国間の協力体制が確立されるに至っています。

Q: 化学物質にはどのような動物実験が実施されているの?

A: 国際的に合意が形成されている化学物質の「スクリーニング情報のデータセット」には、げっ歯類や魚類の急性毒性試験、28日間の反復投与毒性試験、遺伝毒性試験や生殖発生毒性試験が含まれます。これらの試験は、一つの化学物質につき、合計800匹もの動物を使います。欧州連合(EU)REACH規則は、10トン以上の量で生産されている全ての化学物質についてこれらの試験を義務付けており、最も大量生産される化学物質については、これらの試験に加えて出生異常を調べる試験、生殖毒性試験、発がん性試験や野生動物に対する毒性を調べるための試験等、さらに長期間に及び、動物をより多く用いる試験も義務付けています。

アメリカでは、政府の解釈で最大40もの動物実験が求められる(化学物質一つにつき最大合計12,000匹の動物を使用)、現在農薬部門で適用されている法律上の安全基準の再現を提案した連邦法案が、20104月に2つ提出されました。現在商業用途で使われている推定8万の化学物質にこのような法外な試験のアプローチを求めてしまうと、類を見ない程の数の動物たちが、安全性試験のために研究所で毒物により苦しめられ殺されることになってしまいます。

Q: 試験に使われる動物に鎮痛処置や、その他の保護的な処置は行われるの?

A: 鎮痛処置は通常行われません。加えて、国によっては、研究所で繁殖したラット、マウス及び非哺乳類は実験に用いられる動物の基準を定める国レベルの法律の対象に含まれていなかったり、このような法律のもと保護されていなかったりする場合もあります(アメリカ等)。実験動物の飼養管理や利用方法を定めた法令を持たない発展途上国においては、状況はさらにひどいと言えます。

Q: 動物福祉以外に、動物実験に反対する理由はあるの?

A: 幾つか懸念される点があります。まず、ほとんどの動物を用いた試験は、ヒトへの影響を適切に予測できるかどうか評価されておらず、その結果、実世界におけるヒトへの被害を過剰評価もしくは過大評価しすぎてしまう可能性があります。例えば、ラットを使った試験でもウサギを使った試験でも、ポリ塩化ビニフェルや、工業用溶液、その他多くの医薬品における出生異常を引き起こす特性を検知できませんでした。さらに、ラットやマウスを用いた発がんの試験では、アスベスト、ベンゼン、タバコの煙やその他様々な物質の危険を感知することができず、場合によっては消費者や作業従事者の保護に関する施策が何十年も遅れました。

また、動物実験は非効率的で、多大な時間や資源がかかります。例えば、通常のラットやマウスを用いた試験で、農薬において使われる化学物質一つの発がん性を評価する場合、最大5年、800匹の動物と400万ドルがかかります。現代のロボット技術を用いた200もの異なる細胞試験を活用すると、同じ金額で、動物を使わず、最大350の化学物質を1週間以内で評価できます。すでに活用されている既存の化学物質で評価されていないものや、新規の化学物質に対応するために、規制当局関係者は信頼性のある毒性の情報に、必要に応じて素早くアクセスする必要があり、動物実験ではこのような対応は難しいと言えます。

 

Q: 実際に使える動物実験の代替法にはどのようなものがあるの?

A: 動物を代替したり、使用する動物の数を減らしたり、動物の苦痛を軽減する試験法や試験戦略は20以上、欧州代替法評価センターや世界各国の同様の代替法評価センターにより科学的に評価されたと認められています。加えて、柔軟性のない一連の動物実験の一覧をこなしていくような「チェック・ボックス」形式から、不必要な試験を回避できるような柔軟性のある試験の戦略に移行することでも、使われる動物の数を劇的に減らすことができると考えられます。

Q: 化学物質の試験から動物を救うため、HSIはどのような取り組みをしているの?

A: 動物実験の代替法が開発され、その方法が実際に研究所において動物実験を置きかえるべく活用されるまでには、何カ月、場合によっては何年もの遅れが生じることが多々あります。HSIの科学及び政策の専門家は、短い時間で化学物質の試験に使われる動物の数を削減し、試験そのものを代替できるように、世界中の化学物質の規制当局に対し、この遅れを解消するように働きかけています。2009年には、6,000もの化学物質が重複する動物実験を避けられる可能性のあるREACH規則の不明瞭な点を明確にするように欧州化学機関に働きかけ、400万匹以上の動物たちを救うことにつながりました。また、新たな法令が確かな動物福祉の理念を反映することを保証するために、アメリカの有害物質規制法の改正にかかわる政治的討論にも積極的に参加しています。しかし、このようなアプローチは、永遠に動物実験を終わらせるという我々の最終目標の第一段階であるに過ぎません。この目的を達成するために、超高速の細胞試験や高度なコンピューターモデルを組み合わせた毒性試験の「21世紀」アプローチという全く新しいアプローチを支援し、推し進めるために、大学所属の科学者、一般企業や世界中の政府機関と、類を見ないパートナーシップを構築しました。動物実験の場合、結果を出すために何カ月、もしくは何年もかかる場合もありますが、この新しいアプローチの場合、数時間で結果が出るようになります。

Q: どのようにこれらの取り組みを支援できるの?

A: 実験動物を助けるめには、こちらをご覧ください(英文のみ)。また、こちらから、世界中の動物実験を終わらせるためのHSIの取り組みをご支援ください。

 

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