フランス、ストラスブルグ – ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル/ヨーロッパは、何万匹もの犬、ウサギやげっ歯類を、苦痛を伴い死に至る化学物質の試験から救う、食品用途以外の殺虫剤、すなわち殺生物剤に関するヨーロッパの法改正を祝った。
現在、防虫剤や抗菌剤等の製品に使われる殺生物剤の化学物質一つのための試験で、最大6,000匹もの動物が犠牲となる可能性がある。[1]. HSIヨーロッパが率いた2年間の熱心なロビー活動のおかげで、ヨーロッパの関係機関は、悪名高い、試験期間が一年間の犬を用いた試験を廃止することを含め、殺生物剤の動物実験の要件を最大40%削減することに同意した。[2].
動物実験を終わらせるためのキャンペーンをぜひご支援ください。
ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル/ヨーロッパの研究・毒性学部門のディレクターのトロイ・サイドルは次のように述べている。「ヨーロッパの今後の殺生物剤の規制を通して、要件を満たすのみの動物実験からより現代的で効率的な安全性評価へのアプローチに近づくような、前例のない移行を達成することができました。EUの政治家の、より人道的で21世紀にそぐう安全科学への支援は、称賛されるべきです。」
動物実験に関する勝利:
· 12か月の、犬を用いた試験は廃止
· ウサギ等の動物を用いた経皮、吸入、経口急性毒性試験は厳密な要件ではなくなった
· 4割から7割の動物の使用を削減する、皮膚アレルギー、出生異常、不妊問題やその他の健康被害に関する試験方法や戦略が、世界で初めて法的に認められた
· 2種類以上の動物または暴露経路もしくはその両方からの、体系立てられた移行
· それぞれ別の動物実験を実施せずに、二つ以上の毒性評価を一つの試験で同時に実施するよう企業に奨励する新たな条文
殺生物剤の試験には、一般的に犬、ウサギ、げっ歯類、鳥類、そして魚類が使われる。化学物質は、動物の血中に注射したり、強制経口投与により胃や肺に流し込んだり、皮膚に塗布したり、食餌や水に入れたりし、投与される。動物は吐き気をもよおしたり、痙攣を起こし死に至るが、鎮痛の処置は行われない。
欧州委員会は、2009年に初めて殺生物剤の指令の改正を提案した。欧州議会における今日の本会議での投票の後、文書は今後数カ月をかけて委員会により正式に採択される。なお、文書は既に閣僚理事会の交渉人により承認されている。
以上
注釈:
2. 欧州委員会の本会議での最終投票は、ストラスブルグにおいて、1月19日に行われた。
ヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル/ヨーロッパ(Humane Society International/Europe)とそのパートナー団体は、1,100万人の支援者を誇る世界最大級の動物保護団体です。HSI は20年近くにわたり、科学、アドボカシ―、教育及び実践プログラムを通して全ての動物の保護に取り組んできました。「世界中の動物に畏敬の念を示し、動物虐待に立ち向かう」ウェブサイト― hsieurope.org